ゆうきともマジックギャラリー|基礎から応用まで幅広く学べる教材「マンスリーマジックレッスン(mML)」の一部映像について解説

映像関連&その他 mML(マンスリーマジックレッスン)

2017年12月12日更新

1年半ぶりの更新です。まあ、ここを覗いてくれている人がいるのかどうかわかりませんが…(^^;) 
さて今更ながらですが、最近ツイッターなるものを始めまして、なるべくネットから離れて暮らしている身としては「ああ、世の中ではこういった感覚が蔓延しているのね…」と打ちのめされつつも、有名人のぼやきを読めたり、距離的に離れている知人の情報が得られたりするのは凄いことだねえ… などと時代錯誤感満載で眺めている次第。
そんな中たまたま知人が『カラーチェンジング・ナイフ』がやりたいなあ…などとつぶやいていたので、彼のスタイルをなんとなく知っていた私は某有名マジシャンの手順をすすめておきました。

ところで私自身もナイフの手順を持っておりまして、mMLやカズ・カタヤマさんのノート(SFマジックフェスティバル・コレクション6)に発表しております。
プロではふじいあきらさんのお弟子さんであるOga君がレパートリーにしているみたいですし、私自身もお気に入りの手順ですので(今は少しばかり変化していますがね)たま~に演じています。
という訳で以下はナイフも収録されているmML59号の映像です。

2010年5月発売の59号 その1です。

1、520円トリック
本編での解説はありません。メソッドは庄司タカヒトのもので、この後のトリックにうまくつながるのでオープニングで演じました。※奇術探究6号に収録されています。

2、16円カードトリック
記憶が定かではないのですが、元になった作品はスペリングトリックだったと思います。
数字で行える方法を模索しているうちにこの形になり、現象もスッキリしました。即席で演じるセルフワーキングとしては傑作だと思います。

59号 その2

3、ジャパニーズ・エーストリック
二川先生が演じていたトリックを、ニック・トロストが本に書いて有名になったプロットです。観客参加型での『水と油』であり、一般の観客には本当に強力なマジックです。原案と比べますと、ハンドリングに関して私のアレンジがかなり入っています。

4、ブレット・フォー・ア・カウボーイ
ジム・クレイター他、複数のマジシャンのアイデアから生まれた、物凄く実用的なパケットトリックです。シンプルでコマーシャルなプロット、無駄のないハンドリング、ともに見事です。

59号 その3

5、フォロー・ザ・リーダー
もはや忘れ去られたプロットのひとつとなりそうであった『フォロー・ザ・リーダー』ですが、最近では佐藤総やダニ・ダオルティスなどの作品が発表されて、その面白さが見直されつつあるような気がします。
演じているのはダイ・バーノンの作品をよりシンプルにした私のバリエーションですが、演じやすい作品だと思います。
※たぶん解説ではきちんと説明していると思いますが、映像では最初の準備の部分があまりよろしくありません。(^^;)

6、スーパー・オイル&ウォーター
mML5号に解説している手順ですが、フォロー・ザ・リーダーのクライマックスとして演じています。

7、カラーチェンジング・ナイフ
古典的な2本を握って1本を取り出すという(あまり意味のない)ムーブをなくしたいと考えて構成したものです。2017年現在は少し変更を加えていますが、基本的なプロットは変わっていません。あまり知られていない手順ですが自信作です。

2016年5月20日更新

前回の更新からなんと2年半以上たってしまいました。m(__)m
まあなかなかタイミングが… (^^; さて個人的に長年の宿題となっているトリックが結構な数ある訳ですが、そのひとつがジョン・スカーニー著、高木重朗訳、『世界のトランプ手品』1973年 (オリジナルは『Scarne on Card Tricks』1950年)収録の作品。『四重の一致』なのであります。現象はとにかく魅力的です。ぜひともレパートリーにしたいのですが… 正直、 とても難しいのです。
いわゆる『Do As I Do』 の後で、プラスアルファの現象がさらに3つ続きます。
豪華です。
さらりと出来たら物凄くウケそうなのは分かるのですが… とてもオリジナルのメソッドのまま演じられる気はしません。
まずは観客に対しての指示がすごく大変!さらにはさりげなく行うべき動作が多く、かつその動作を隠すための論理的なカバーがありません。
1対1であれば… おそらくは気にならないのかもしれませんが、この豪華な現象は、本当のクロースアップよりもむしろ、サロン(パーラー)マジックくらいの方があっている気がします。

あ、ついつい長くなりましたが、mML39号では、二重の一致とでもいうべき作品であり、あまり演じられることのない名作、マーティン・ガードナーの『クリスクロス・ドゥ・アズ・アイ・ドゥ』を収録してあります。 ※原案は1937~38年のJinxに発表されている ようです。
『四重の一致』の私のバージョンは、今年中にどこかで発表する予定ですが、上記のトリックをご存知なかった方は、まずはこの作品を実際に演じてみてください。学ぶ価値は十分にある作品です。

ところで『四重の一致』と同じテーマの作品は、フランク・ガルシアの『カード奇術の秘密』、東京堂出版の『ザ・マジック』8号、氣賀康夫著 『ステップアップカードマジック』にも解説があります。

2008年9月発売の39号、前半です。

mML39号より

1、ワイルド・モンテ
ジョン・バノンによる傑作トリック『ワイルド・オン・ザ・ストレイト』の簡易バージョンです。オリジナルは言葉のギャグが入るのですが、日本語にはならないので、よりシンプルな現象にしてあります。メソッドも楽にしてあり、演じやすく、ウケの良い作品です。

2、ホフジンザー・プロブレム
上記の名前で呼ばれる一連の作品群は、大抵の場合たいくつなのでは? (^^;) 2016年になり、プロマジシャン、はやふみ氏とそういった話 をする機会がありました。ここで紹介している私のバージョンは、そうはならないように、当時構成したものです。みなさんはどう思いますか?

3、フォロー・ザ・リセット
現在はmMLスタッフである南部信昭による傑作マジックです。実は当時(2008年)ヘルダー・ギマレスによる同じアイデアの作品が発表されてい たのですが、解説にもあるように、南部氏は2003年に1トリックを解説したビデオで(トリックス社 VHS)販売しています。
結論から言うと、ヘルダーの作品よりシンプルな分、優れていると考えます。

mML39号より

4、手を使った Do As I Do
詠み人知らずの作品。クロースアップでもステージでも、手ぶらでできる大傑作!考えた人は天才です。

5、らくらく Do As I Do
完全に手順を忘れていました… (^^;) これで十分ですよね。

6、クリスクロス Do As I Do
ライブではミスをしてやり直しています。(^^;) このテーマでは珍しい、サッカー的な演出で演じてみました。これもまた大傑作ですね。

2013年10月23日更新

個人的な話ですが、この季節にならないとめったに演じないマジックがあります。要するにジャケットを着ていないと演じにくいタイプのトリックがあるわけです。今回は2008年2月発売の第32号をご紹介しましょう。

mML32号より

1、指抜き ①~④
とにかくこの回はお客様自身の反応が良かったのですが ^^; このタイプのトリックはしっかりと覚えておくと本当に重宝します。
最初に演じている人差し指からぬけるバージョンは、ミルボーン・クリストファーの有名な手首からぬけるロープのバリエーションです。抜く方向を上下に変えるだけで印象が少し変わるところもおもしろいと思います。

2つ目の二本の指を使うやり方は、その昔あやとりの本で覚えたもの。マジシャンにはあまり知られていない方法なのかもしれません。
3つ目と4つ目はマニアには広く知られたものだと思いますが、観客にも参加してもらえるのでとても効果的です。
私自身は4つ目のやり方が大好きで、拙著 『たのしいマジック』 、『ウケる手品』 にも収録しています。

2、トラベリング・エーセス
オスカー・ウィグルによる古典トリックをアレンジして、よりリアルな現象に構成し直したもの。こちらも拙著 『たのしいマジック』 に収録。適切に演じますと、本当に演者は何もしていないようにしか見えないため、かなり不思議に見えます。

3、シンプルESP
このトリックは、ジャケットの特性を本当にうまく利用しています。私自身久しぶりに映像を見ましたが、本当にシンプルで良いトリックですね。(^^)
mMLでは毎回一般客の前でのライブ映像の他に、解説用の演技も収録していますが、そちらをご覧になると、もう一度騙されるといった趣向になっています。お持ちの方は是非見直してみてください。

mML32号より

4、高木先生の思い出
もう30年近く前になりますが、私がまだ高校生の時に、日本奇術界の重鎮、高木重朗さんから直に教えていただいたトリックです。
最近はそのまま演じることは少なくなりましたが、映像を見るとまたやりたくなりますね。
現在のパケットトリックに使用されている多くの手法が盛りこまれており、普通のデックで即席に演じられます。

5、ウェイト・ゲス
ナポレオンズのボナ植木さんのお気に入りです。
ここでのやり方はいつでも即席に演じられる方法で、演者のストレスも少ないはず。

6、バニシング・デック
これまたジャケット着用ならではのトリック。正直映像には向かないトリックなのですが、ライブであればこのくらいのタイミングでも十分に通用します。複数枚のカードをコントロールする時のサトルティにもご注目ください。

2013年10月4日更新

気が付いたら10か月もほったらかしに (^_^;) なっていましたすみません。
前回は新たに撮り直した第一号を取り上げましたので、同じく改訂された第五号に関して振り返ってみましょう。 
※オリジナル版は2005年11月の刊行でした。

mML5号より

ライブでの収録順に紹介します。

1、悟空の玉 (やさしく演じられるカップと玉)
マジック愛好家にとっては何を今さらと思われるかもしれませんが、一般の方にとっては非常に強力な現象のトリックです。おそらく初めてこのマジックを見た方は、絶対にカップや玉に仕掛けがあるとしか思えないでしょう! …しかし、実際には仕掛けは一切なく、信じられないほどシンプルな1つの原理のみで成立している大傑作です。しかもですよ… 難しい技法をマスターする必要さえもないのです。
カップと玉を用意するだけで手軽に演じられる魔法なんて、そうそうありません。やらなきゃ損というものです!
この作品を適切に演じても、それなりの受けを取れないという方は、一度自分自身が周りにどのように受け入れられているのかを考え直す必要があるでしょう。(^_^.)
※この時のお客様はマジシャンで、さすがに二人共このトリックは知っており、リアクションは(残念ながら)薄めでした。

演者のストレスがほとんどないという点が、この作品の最大の利点ですので、是非とも実際に演じて見て下さい。

2、ノーエクストラのカップ&ボール
紙コップ3つとボール3個だけで即席に演じられる手順です。基本的な技法を1つマスターするだけで、すばらしい現象を手に入れることができます。上記の手順 「悟空の玉」 でその面白さを理解できた方は、是非ともこの手順にもチャレンジしてみて下さい。

3、オイル&ウォーター (4枚+4枚)
いつでも手軽に演じられる 「水と油」 の手順です。愛好家の方には一見スタンダードな手順に見えるかもしれませんが、裏の仕事を減らす為のアイデアがさり気なく生かされており、結構スッキリして見えるはず。
また、この後に続ける現象のための、これまたさり気ない策略がめぐらされていますので、そういった部分も参考にしてもらえればと思います。

4、スーパー・オイル&ウォーター
「水と油」 を一組全体を使用して演じているかのようなイメージのトリックですが、実際にお客様が参加していますので、非常に強力です。10分から20分程度のマジックショーを構成する場合には、十分にトリネタとなる作品です。
ただし、このトリックに限ったことではないのですが、特にこのタイプの観客参加型で、多少時間のかかるものは、単にその段取りや、やり方を覚え、追っただけでは、その本当の効果を再現することはできません。
解説ではそういった部分についても触れておりますので、あわてずにじっくりと取り組んでみてください。

2013年1月17日更新

DVD&小冊子のマジック教材 「マンスリーマジックレッスン(mML)」 は2005年の7月からスタートしました。現在発売している 「第一号」 と 「第五号」 は、2012年に新たに撮り直したもので、映像、小冊子共に改訂されています。
調べたところ、ブログを始めたのは2006年からですので、mML初期の内容に関しては触れてなかったようです。
今回は改訂版の第一号を振り返ってみます。

どの作品も、持ち方、配り方、シャフルなど、基本的なカードの扱いができれば演じられるものばかりですが、演者自身にきちんとしたプレゼン能力さえあれば、魔法のような効果を得られる傑作ばかりです。
ただし、この映像は一般のお客様を対象にしたライブなので、セリフ回しには私自身のスタイルが出過ぎているかもしれません。あなたが演じる時には、あなた自身でなくてはなりません。
くれぐれもセリフをそのままコピーしてしまわないようにご注意ください。

mML1号より
 

ライブでの収録順に紹介しましょう。
※トータル10分ほどの映像ですが、収録作品の都合 (同じタイプの現象が続く) により、実際には5分ほどの演技を2回に分けて撮影しています。

1、天海ターンノーバー (石田天海)
第一号のオープニングを飾るのは、日本人の考案したすばらしいトリックです。まったく怪しい部分が見えないので、本当に魔法のように見えます。ちょっとした準備をしておくことで、原案よりもはるかにやさしく、かつ不思議に見えるように構成してあるのですが、この準備により、この後連続的に手順を続けられるのもポイントです。
上級者の方は、準備しておいた部分を悟らせないための最初の段取り (観客とのやり取り) にもご注目ください。

2、スロップシャフル (Sid Lorraine)
マニアの方にはお馴染みの 「トライアンフ」 をカジュアルにした感じの現象です。本来は手の中でカードを裏表に混ぜるのですが (後半の  「4Aバージョン」 で行っている方法です)、ここでは卓上で混ぜるやり方で演じています。カードを覚える必要もないので、観客の負担も少ないと思います。

3、カードロケーション
私のセリフが 「ピーリングで当てます」 と聞こえますが (^_^;) 「フィーリングで当てます」 と言っています。さりげなく演じていますが、シンプルでかなり不思議なマジックのはず。

4、スロップシャフル (4Aバージョン)
ここからは後半になりますが、実質的にはオープニングの演技だと思って下さい。ここで行っているシャフルが原案の 「スロップ・シャフル」 といわれる動きですが、途中でちょっとしたサトルティも取り入れています。

5、選ばれたエース
シンプルですが強力です。カードを覚えてもらう部分の段取りが非常に重要です。

6、シンパセティック・コインズ
クロースアップ・コインマジックの花形 「コイン・アセンブリー」 や 「マトリックス」 の元祖ともいえる、100年ほど前に考案された古典トリックですが、その現象はパワフルです。指先のテクニックという意味において、さほど難しくありませんし、秘密の準備が一切必要なく、角度にも強いというすばらしい作品です。この映像でのクライマックスの演出は、沢浩さんの 「サブマリン・コイン」 を参考にしたものですが、このセリフによって現象に統一感が生まれた感じがします

2013年1月12日更新

ブログ 「ゆうきともからのお知らせ」 は、元々DVD教材 「マンスリーマジックレッスン」 宣伝のためにスタートさせたものです。教材の新刊収録時や販売日などに、各号の予告や裏話、収録に漏れたアイデアなどを紹介してきました。

しかしながら、あらためて過去のブログをチェックしてみますと、書いたつもりで抜けている号が結構あるようです。このスペースでは、かつてのブログから漏れた号を中心に紹介してゆこうと思います。

YouTube などで一部のライブ映像は公開されていますが、実際の教材ではそれ以外の演技映像とともに、詳細なコツも説明されておりますから、お持ちの方は是非もう一度確認してみてください。

mML79号より

 

ライブでの収録順に紹介しましょう。

1、天国と地獄
マジックではありませんが、実演すると確実に喜ばれる、クイズ仕立てのよくできたトリビアです。 予定外での中途半端なタネあかしなどを見せたりするよりは、こういったものをいくつか覚えておくと重宝しますよ。

2、裏目
ビジュアルな変化が手軽にできる楽しいトリック。使用している技法は古典的なものですが、1・2、3・4、5・6、というリズミカルな構成は、スタッフの野島によるものです。やさしくできる上、2、3回繰り返すこともできます。

3、カード・イン・ポケット・コインシデンス
ニック・トロストの作品。見た目がシンプルなだけに超不思議で、2段がまえの構成が巧妙です。ダイスを使う点と1段目にケースを使用する点はゆうきの工夫です。

4、おとぼけサンドイッチ
mMLスタッフ南部による発案の、少し変わったコンセプトのサンドイッチトリック。本来はミスディレクションをさらりと利かせた小気味よい作品なのですが、この映像は正直イマイチです。 (^_^;) おそらく解説での演技の方が参考になると思います。またこのトリックの前フリとして、シンプルでストレートなサンドイッチトリックも演じておりますが、こちらもコツを含めた詳細な解説があります。

5、トラベリング・カード
動画のタイトルにあるテーマ 「カードアクロス」 ですが、シンプルな技法だけを使い、2回の移動を達成しています。マルローの原案をトロストがシンプルにしたもので、あまり演じている人を見かけませんが傑作だと思います。余裕のある方は、2回目の移動の際にテント・バニッシュなどの消失技法を使ってもよいでしょう。

6、テル・テイル・デック
リチャード・ボルマーの手順を日本語版にし、さらに即席でできるように構成したものです。この映像の演技では最初のカードを抜き出す部分が少しばかりもたついていますね (^_^;) 実際はもっとスムースに進められます。もちろん最初からセットアップしておいて行う方法も解説してありますよ! 連続的にある技法を行う必要があるのですが、その部分に適切なエクスキューズを設けることで、楽に (観客に疑われないよう) 行える構成にしてあります。これくらい豪華な感じのするトリックを、その場にあるデックでさりげなく演じられたらカッコイイですよね~ (^^♪

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